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Update : Fep.29.2000

icon 衝突テストの再評価 97 [SEAVIEW]

衝突テストの再評価
AAA評価のクルマは本当に優秀なのか?

 

1998年3月ごろに自動車事故対策センターより公表された
「1997年度 前面衝突安全性能試験結果」
を再評価します。


【 記載例 】
▼ メーカー名・車名 総排気量・グレード名 (デビュー年月 / 変更年月)
自動車事故対策センターのHPへ 自動車事故対策センターのHPを表示
〔乗員傷害〕 ・・・ 運転席 / 助手席の“アルファベット評価”
〔足元フロア〕 ・・・ 足元フロアの変形についての「自動車安全情報」冊子の記述
〔その他〕 ・・・ その他の「自動車安全情報」冊子の記述など
〔再評価〕 ・・・ 私の再評価(解説,寸評,補足)

 

▼ 三菱 レグナム 1800 ST (1996.-8)  自動車事故対策センターのHPへ
〔乗員傷害〕   AA / A
〔足元フロア〕
  • 運転席側、助手席側とも変形していた。
〔その他〕
  • 右側のルーフの中央部にわずかな変形が見られた。
  • いわゆるヒューズベルトが作動、衝突後のダミーは座席中央部付近まで前方に移動していた。

図 (Legnum)

【解説】〔再評価〕 
  1. トーボードの侵入が見られる。
  2. 運転席ダミーの足首の曲がりがやや大きい。
  3. ヒューズベルトが伸びた事により、座席中央付近まで移動。
  4. ダミーの前方への移動により、運転席側はダッシュボードによる膝の若干の打撲が予想される。 深刻なのはダッシュボードよりもステアリングコラムの方で、衝突時にブレーキを踏んでいた場合は膝のステアリングコラムへの強打が予想される。

【寸評】

  1. ヒューズベルト採用車は、衝突時にブレーキを踏んでいた場合に膝をステアリングコラムに強打する可能性が大きい(※寸法上の理由で、必ずしも強打が起こるとは限らない)。 これは、衝突時に右足を損傷して歩行困難〜不可になるおそれがある。
  2. このレグナム/ギャランから『新・安全強化ボディ:RISE』という呼称が使用されている。 RISEとは「衝突安全の進化の実現(Realized Impact Safety Evolution)」という意味であるが、凹んだピンポン玉のように変形している助手席フロアとヒューズベルトの組み合わせがもたらす結果は「進化の実現」という言葉とはかけ離れている。

 

 

▼ 日産 ローレル 2000 メダリスト (1997.-6)  自動車事故対策センターのHPへ
〔乗員傷害〕   AA / AA
〔足元フロア〕
  • 運転席側、助手席側とも変形していた。
〔その他〕
  • (特になし)

〔準備中〕

〔準備中〕

 

▼ ホンダ ステップワゴン 2000 G (1996.-5)  自動車事故対策センターのHPへ
〔乗員傷害〕   A / A
〔足元フロア〕
  • 運転席側、助手席側とも比較的大きく変形していた。
〔その他〕
  • 前席左右のドア枠全体に変形が及んでいた。

図 (StepWgn)

【解説】〔再評価〕 
  1. ドアが後退、すなわちAピラー下部が後退している。 さらに助手席側の写真では、Aピラー下部の鉄板が平らに伸ばされている様子が見られる。
  2. トーボードの侵入が目立つ。 ブレーキペダルは侵入したトーボードに押されて上方に移動している。 足元フロアの変形量は甚大で、衝突前はほぼフラットであったフロアは衝突後に波うっており、その大きさは運転席側ダミーの右足のかかとが隆起したフロアに隠れているほどである。
  3. 両席ダミーの足首は急角度で曲がっており、足首の骨折が予想される。
  4. ダッシュボードの後退が目立つ。 助手席側ダミーの膝はアシストトレイ付きボックスの蓋に近接あるいは接触しており(エアバッグで隠れて見えないので詳細は不明)、膝の打撲が予想される。
  5. Aピラーの途中に明確な折れが見られる。
  6. Aピラー〜ルーフにかけてキャビンの変形が見られる。
  7. 衝突中の室内を撮った写真ではハンドルの車両右向きへの移動が目立ち、エアバッグの頭部保護性能が充分に発揮できない事態が予想される。
    ※衝突後にハンドルの左右や上下の移動量を測定することが望ましい。

【寸評】

  1. キャビン前方の弱さが目立つ(1,2,4,5,6)。 特に、明確な折れが見られるAピラーの弱さは要注目(5)。 変形が大きいオフセット衝突での乗員保護性能は期待できない。
  2. フロアの変形が目立つ(2)。 トーボード〜フロアの侵入により下肢が押し戻さると共に、足首の曲がる角度が大きくなっており、足首骨折の高い可能性が予想される(2)。 オフセット衝突では下肢圧壊を覚悟すべき。
  3. 車両前部のクラッシャブルゾーンが弱すぎると共にキャビン前方もクラッシャブルゾーンと化している。 特にダッシュボードの後退が目立つ事から、エンジンの侵入に耐えるための強度が大きく不足していると思われる。
    ※自動車事故対策センターの評価は『衝突エネルギーの吸収は、エンジンルーム内でほぼおさまっている。』となっている。
  4. 助手席側ドアの付け根(Aピラー下部)の鋼板の変形が目立つ(1)。 衝突前は折り曲げられている形状だが、衝突後は引っ張って伸ばされたような平板な形状に変化している。
    これは、ダッシュボードが大きく後退している(4)一方でドアが(Bピラーとの間で)つっかえ棒のようになっているため、後退したダッシュボード内側の構造材(スカットルなど)とドアを取り付けている蝶番とでドア付け根付近の鋼板が前後に引き延ばされたためと推測している。
    オフセット衝突時のダッシュボード侵入量やハンドル移動量の増加は全てのクルマについて懸念される事ではあるが、ステップワゴンに関しては特に気になる。 また、ドアの付け根付近の鋼板の破断やドアの脱落の発生の有無についても気になるところである。

【補足】

  • 自動車雑誌「ニューモデル マガジン エックス(MAG X) 1999年3月号」の「読者の声」コーナーに、『ステップワゴンに乗る(投書の主の)友人が対向車線をはみ出したスターレットと衝突したら、スターレットの女の人は無傷だったがステップワゴンの友人は足を切断した。 ステップワゴンは乗員スペースまでエンジンが進入したのに対しスターレットはフロントこそ大破だが乗員スペースはすこししか変形していなかった。』という旨の投書が載っていた。
    この話の真偽や状況を確かめる術は私にはないものの、今回の両車のテスト結果から判断すれば充分に納得できる話である。

 

 

▼ トヨタ クラウン 2500 ロイヤルサルーン (1995.-9 / 1997.-7)  自動車事故対策センターのHPへ
〔乗員傷害〕   A / AA
〔足元フロア〕
  • 運転席側、助手席側とも変形していたが、比較的少ない。
〔その他〕
  • シートは変形により比較的大きく移動していた。
  • 左右のルーフ中央部にわずかな変形が見られた。

〔準備中〕

〔準備中〕

 

▼ 日産 セドリック 3000 ブロアム (1995.-6 / 1997.-6)  自動車事故対策センターのHPへ
〔乗員傷害〕   A / AA
〔足元フロア〕
  • 運転席側、助手席側とも変形していたが、助手席側は比較的少ない。
〔その他〕
  • シートは変形により比較的大きく移動していた。

〔準備中〕

〔準備中〕

 


 

 

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