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Update : Jan.04.2001

CARS DAYS

2000.08 (2)

【8/27 SUN】 2代目インプレッサ(FC)

スバル インプレッサ

▼概要
 スポーツワゴンとセダンの2本立ては従来通りだが、セダンはレガシィB4に通じる性格付け(あるいはグレード整理)がなされた。
 ワゴンは5ナンバーサイズだが、セダンはワイドフェンダーによる幅広ボディで3ナンバー。 セダンの車高はワゴンより20mm低い(ちなみにワゴンにはルーフレールはない)。 セダンは2リッターのみとなり、ノンターボもターボも共にWRXの名がついた。
 ワゴン,セダン共、全グレードのボンネットがアルミ製。 また、50mmの調整幅を持つ“スーパーシートリフター”も備えている(日本車には珍しい(?)ラチェット式)。 セダン比で車高が30mm高められ、居住性の改善が図られている。

▼外観
 シルエットは旧型と大差がなくキープコンセプトだが、ライトが欧州カローラを思わせる丸2灯風になった。 大きな丸の中に2灯式ライトやウインカーなどが収まり、オプションのHIDを装着すると丸の中身が4灯式になる。 ポルシェ911のようなフェンダーの峰はで車幅感覚がつかみやすく、シートリフターと相まって、小柄な人でも運転しやすそうだ。 グリルはレガシィに通じる台形になった。
 デザインに関しては、顔は個別認識がしやすいものの、これといった魅力も関心も感じなかった(まあ、一応普通のセダンだし)。 特にドアミラー付近は未成熟なアイディア倒れの印象を受けた(その点に関しては私の旧型レガシィに通じるところがある(笑))。 ここまでやりかけたのならオペル・ベクトラのような気合いを見せて欲しかった。 また、リヤはテールランプが下方向に厚いためか、旧型と比べて軽快さに欠ける(ただしテールランプ下の鉄板が要らなくなったので、その点は上手いかも?)。

▼車内
 もちろん豪華ではないが高品質な印象。 ダッシュボードのシボはレガシィよりも出来がよさそうだ。 リヤ熱線のケーブルが隠れているのもいい。 銀色のセンターコンソールは最近の流行のようだが、あまり好きではない。
 ターボ車のシートはなかなか良さそうな形状で、体圧分布無視の直線的な形状のレガシィのシートとはずいぶん異なる。 しかしながらシートバックやシートの取り付けが弱いのか、ひどく後方にしなると共に座面まで前上がりになるのは良くない(日産シルビアやスカイラインGT-Rを思い出させる)。 後席からシートバックを曲げてみたが、あまり丈夫でないような気がした。 被追突時の乗員保護については特に考慮されていないらしい。

 運転席のシートリフターを一番下に降ろしても、後席乗員のつま先がシート下に充分入るのは良い(※現行レガシィがそれを拒む不可思議な造りになっているので心配だった)。 セダンの後席頭上空間は私の頭がリヤガラスに当たる程度で充分とは言い難いが(←普通の人にとっては一応OKかも?)、三菱ランサーセディアのように無駄にシートが高すぎて顔を上げるのに困るような事はない。 ただし頭はリヤガラスの下にさらされる。
 一方、ワゴンの車高はセダンより25mm高いが、それは後席の居住性にはほとんど貢献していない印象を受けた。 なぜなら、車内の天井は(車両前方から見て)中央部がアーチ型に弧を描いて高くなっているため、後席の左右に座った場合の頭上部分の余裕はほとんど変わらないからだ。 また、ワゴンはセダンよりも若干着座位置が高いのか、あるいは旧型ワゴン比で25mm後退させたという着座位置のためか、側頭部の髪がCピラーに触れるほどに余裕がなく、圧迫感も大きい。 また、シートベルトを装着して普通に座ると妙に端寄りになってしまうのも、さらに状況を悪くしている。 スポーツワゴン/セダンという性格付けのためピラーを(正面から見て)立て気味にできなかったのか、あるいはCピラーの後方が絞り気味になっているのか、せっかく車高を高めているというのに居住性にはあまり効いていない。 ターボモデルはともかく、1.5Lモデルはライバルに対する大きな弱点となるであろう。

 3眼メーターはタコメーターが中央にあるのだが、スピードメーターが「左側」ではなく「右側」にある事に、ひどく違和感を憶えた。 通常は同じ大きさなら優先度の高いものが左側にあると思うが、燃料計&水温計よりもスピードメーターの方が優先度が低いと考えているのだろうか?(もっとも、スピードメーターを無視しつづけてもガス欠で止まったりオーバーヒートで壊れたりする心配はないが)。 もしもATインジケーターを優先した結果だと言うのなら、MT車だけでも普通の配置に入れ替えて欲しい。 なお、ターボ車はメーター内に外気温計が付く。
 ついでにワゴンのバックドアハンドルは普通のハンドルだったので安心した(※レガシィは指を突っ込む場所が悪いと何かの部品に指が当たって汚れたりする無造作で意味不明な造りになっている)。

▼試乗
 WRX NB(ターボ)の5MTに市街地直線チョイ乗り試乗。 STiマフラー装備のため、ちょっとやかましい。 クラッチは軽いがハンドルは軽すぎる事はなく、ちょっと安心。
 フル加速やコーナーリングなど試しようがないが、低回転域の加速はインプレッサ〔1340kg+2人乗り〕の方が私のレガシィ〔1380kg+1人乗り〕よりもよさそうだ。 AVCSなる吸気側可変バルブタイミング機構のおかげか? 私のレガシィのエンジンはタイトコーナーが連続するようなところではダルさばかりが目立つので、期待が持てる。 レブリミットは7200r/minあたりだった(速度を見るのを忘れた)。

▼スペック比較
 新旧スペック比較。 旧インプレッサはWRXの無印(RAでもSTiでもないヤツ)。 それと私の旧レガシィRS。
 高剛性化(静的な曲げ剛性は2.5倍,ねじり剛性は2倍)と衝突安全性向上のためとはいえ、ずいぶん重くなったものだ・・・。

車名 (全車 2L ターボ 4WD) 全長×全幅×全高 [mm] 軸距 [mm] 車重 [kg] 最大出力 [PS] 最大トルク [kgm]
新 インプレッサ WRX NB 4405×1730×1435 2525 1340 250/6000 34.0/3600
旧 インプレッサ WRX (1999) 4350×1690×1405 2520 1270 280/6500 34.5/4000
旧 インプレッサ WRX (1992) 4340×1690×1405 2520 1200 240/6000 31.0/5000
旧 レガシィ RS (1996) 4605×1695×1405 2630 1380 280/6500 34.5/5000

 ついでにワゴンを、8月28日デビューの新型カローラ・フィールダーと比較。 両車ともルーフレールはナシ。

車名 (全車 1.5L AT 2WD) 全長×全幅×全高 [mm] 軸距 [mm] 車重 [kg] 最大出力 [PS] 最大トルク [kgm]
インプレッサ I's 4405×1695×1465 2525 1210 100/5200 14.5/4000
カローラ・フィールダー X 4385×1695×1475 2600 1090 110/6000 14.6/4200

 インプレッサは全車アルミボンネットを奢っているといはいえ・・・トヨタの軽量化パワー、恐るべし!

▼余談
 今のレガシィが廃車にでもならない限りレガシィB4に乗り換える気は起きなかったが、インプレッサWRXなら乗り換えてもいいかな・・・という気になった。 とりあえず、2ドア車が母親に却下されたときの第一候補にしておこう(その前にカネを貯めないと…)。

【8/28 MON】 三菱クレーム隠しで一斉捜索

 警視庁交通捜査課と中央署などの共同捜査本部が、27日に三菱自動車本社など5ヶ所を道路運送車両法違反(虚偽報告)容疑で一斉に捜索し、役員会議録など1700点を押収した。 1969年のリコール制度化以降、クレーム隠しが刑事事件に発展するのは初めて。
 また、クレーム情報をコンピューターに入力する際、秘匿したい情報に特定のコード番号を付ければ自動的に「裏リスト」に回るような“隠蔽プログラム”を大手コンピューター会社系のソフト会社と共同開発、1998年4月頃に導入していた。 全国のディーラーなどから寄せられるクレーム情報を本社の品質保証部のコンピューターで一元的に管理しているが、開発されたプログラムを使って特定のコード番号を付記すれば、公表していい「表リスト」とは別の「裏リスト」に追加されるようになっていた。

〔28日の読売新聞の記事より〕

【8/29 TUE】 イベントページ作成

 丁度1年前の「リエゾン クラシックカー フェスティバル」で撮った写真のページを作った。 さらに、その数ヵ月後の「京都クラシックカーフェスティバル」のページも作った。 1つのイベントで500KB程度になった。 ・・・という事は、どこかの無料HPに移動した方がよさそうだ。

【8/30 WED】 カローラ(FC)

トヨタ カローラ / カローラ・フィールダー

▼概要
 通常の4年サイクルを過ぎ約5年3ヶ月でフルチェンジしたカローラは「NCV - New Century Value(新世紀価値)」を標榜する。 セダンとワゴン「フィールダー」の2本立てで、スプリンターとレビン&トレノは廃止された。 エンジンは1.3L,1.5L,1.8Lと2.2Lディーゼルで、フィールダーにのみ1.8L VVTL-i 190PSの2ZZ-GEエンジンが用意される。 セダン比で全高が85mm高く、ホイールベースが135mm長くなったのが大きな特徴である。

▼外観
 旧型より50mm長く,5mm広く,そして85mm高くなったボディの第一印象は「旧型カローラ+プリウス+オペル・アストラ」。 トランク後端などのリヤがアストラを連想するが、露骨な真似というほどではなく「ややありがちなリヤデザイン」といったところか。
 1470mmもある車高(それでもプリウスより20mm低い)を活かし、ベルトラインを高くとって窓の上下寸法は控えめにし、安定感のあるデザインとなっている。
 ヘッドライトは上下に厚くずいぶんと目立つが、ボディも上下に厚いので、縦目もどきのプレリュードやレガシィのようにバランスを失うような事はない。 グリル中央に盛り上がったエンブレムの部分はボンネットも丸く盛り上がっており、特徴的。 グリルはメッキ横棒の奥に荒い金網を張ったような意匠で、メッキ棒を何本も立てたようなありがちな豪華さを押し出したものではないところはなかなかいい。

▼車内
 全高とホイールベースの延長がパッケージング面での最大の特徴。 特にホイールベースは、従来のモデルチェンジでは上級車種を上回らないよう少ししか延長されなかったためライバル車より短く劣勢であったのが常であったが、今回は一気に延長されてライバル車と同等となると共に、上級車のコロナ・プレミオを上回った。
 着座姿勢は、ホイールベースがプリウスより50mm長いためか、それほどアップライトな姿勢は採らないようである。 前席にはダイヤル式シートリフターが備わる。 シートを降ろすと座面が前上がりになるのはありがたい。
 後席は広く快適。 ヘッドクリアランスは私が座って髪が触れる程度(ちなみに車高が20mm高いプリウスでは頭が軽く当たり、30mm高いプラッツでは頭が強く当たって少し下を向かなければならない)。 頭上のほとんどは天井にカバーされていて、インプレッサやサニーのようにリヤガラスの下に丸出しにされたりはしない。 前席内側のシートレールをフロアトンネルに取り付けて後席乗員のフットスペース拡大に貢献している小技も効いている。 セダン・ワゴンとも後席の側頭部は広く、先日見たインプレッサの後席のような圧迫感を感じることはなかった。
 全車、フロントシートはムチウチ症を防ぐWILコンセプトシートで、リヤシートの左右席には上下式ヘッドレストが2個装備される。 中央席は2点式シートベルト。

 ダッシュボードは水平基調の濃淡2層構造で1DINオーディオをトップに置く。 エアコンなどのセンターコンソール部とシフトレバー部は木目か黒もしくはメタル調シルバー。 質感の高さを主張するだけあって下位グレードでもなかなかのものだが、ダッシュボード側に対してドア側の樹脂のシボが滑らか過ぎていたりして、主張の通りとは言い難い部分もある。 また、窓枠があいかわらず鉄板剥き出しなのは落胆した。
 メーターは普通(タコなし),シルエットメーター(盤面が青白く光る),オプティトロンメーターの3種類。 オプティトロンが最上級だが、シルエットメーターも捨て難い。 距離計は全てデジタル式になった。 センターメーターではなく通常のメーターなのは、普通サイズのタコメーターと、1DINオーディオ(またはカーナビ)をトップに置くためと思われる。 近年の日本はAT王国なのでどうでもいい事かも知れないが、MTがまだまだある諸外国では充分なサイズのタコメーターがあった方が好ましいのだろう(例えばドイツ本国ではBMW 7シリーズのディーゼルのMTがあったりする。 日本では考え難いが・・・)。
 センターコンソール上方は、まるでデザイン画から抜け出てきたような出来栄えだ。 この辺りの段差を小さくしたのと相まって、実に見事。 この部分に限っては木目調パネルよりも黒パネルの方に魅力を感じる。 ついでに小物入れの蓋はペラペラの1枚ものではなく、凝っている。
 シフトレバー周辺はきれいな仕上がりだが、ガソリンスタンドで小銭などを仮置きしただけでも落ちそうなのが残念。 ただし、中級グレード以上はアームレストの蓋部分がその役割を果たすであろう。 サイドブレーキの横は縦長の蓋付き小物入れで、角型のペットボトルや300mlの紙パック飲料やペットボトルが置けると思われる(エライ)。

 気に入らないところと言えば、窓枠があいかわらず鉄板剥き出しな所。 細部の仕上げにこだわって作ったとの事だが、せっかくの上質感も、この鉄板剥き出しでぶち壊しになっている。
 グローブボックスにダンパーが入っていて一気に開かないのはいいのだが、ロックを解除しただけでは殆ど開かず、ハンドルに手をかけて引っ張っり続けなければならないのはマヌケ。

▼スペック比較
 ホイールベースがライバル車並みに伸びた。 ライバル車よりも高い全高は、後席の乗降性や着座姿勢の良さを裏付ける。 もちろん、単に数値だけでなく、それを意識したエクステリアデザインもあっての事だが。

車名 (全車 1.5L FF AT) 全長×全幅×全高 [mm] 軸距 [mm] 車重 [kg] 最大出力 [PS] 最大トルク [kgm]
カローラ G 4365×1695×1470 2600 1040 110/6000 14.6/4200
旧 カローラ SE-Saloon 4315×1690×1385 2465 1060 100/5600 14.0/4400
サニー スーパーサルーン 4345×1695×1415 2535 1110 105/6000 13.8/4400
ランサー・セディア MX-S 4360×1695×1430 2600 1130 100/6000 14.0/3500
ファミリア GS 4315×1695×1410 2610 1100 130/7000 14.4/4000
参考:          
インプレッサ WRX 4405×1730×1440 2525 --- --- ---
オペル・アストラ 4ドア 4252×1709×1425 2606 --- --- ---

 ついでにトヨタ車同士の比較。 ホイールベースでコロナ・プレミオを上回った(たとえプレミオのフルチェンジが近いとしても、快挙)。 ビスタは別格として、プリウスやプラッツよりも車高は低い。 ホイールベースが短いほどアップライトな着座姿勢で前後方向のスペースを稼ぐのが基本のようである。

車名 (全車 1.5L FF AT) 全長×全幅×全高 [mm] 軸距 [mm]

排気量

カローラ 4365×1695×1470 2600 1.3-1.8L
旧 カローラ 4315×1690×1385 2465 1.3-1.6L
プリウス 4275×1695×1490 2550 1.5L+Motor
プラッツ 4145×1660×1500 2370 1.0-1.5L
ビスタ 4645×1695×1505 2700 1.8-2.0L
オーパ 4250×1695×1525 2700 1.8-2.0L
コロナ・プレミオ 4600×1695×1410 2580 1.6-2.0L

▼まとめ(?)
 現時点で1500ccのATのセダンを買うのであれば私は迷わずカローラを薦める。 ただ、問題があるとすれば、最近の日本では1500ccのATの「セダン」を選ぶ人が減っている事・・・。

 
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