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Update : Mar.22.1999

衝突テストの再評価
・・・の素体(1998年)

1999年3月に自動車事故対策センターより公表された
「1998年度 前面衝突安全性能試験結果」
の再評価の素体です。


■ パンフレットの変化 [Mar.22.1999]

パンフレットにいくつかの変化が見られた。

  1. 表紙のタイトルの下に「自動車アセスメント」のサブタイトルが追加された。 また、「運輸省」のマークが入った。
  2. 『安全装置の装備状況一覧』には「ブレーキ・アシスト」と「シートベルト・フォース(ロード)リミッター」が追加された。
  3. 『全面衝突安全性の宇試験結果の詳細』は1ページあたり2車になり、その分、写真が小さくなった。 評価方法の変化は認められなかった。

1997年度(1998.3)

1998年度(1999.3)

表 紙

「自動車アセスメント」のサブタイトルと
「運輸省」のマークが加えられた

panf-2.jpg (8701 バイト) panf-1.jpg (9355 バイト)

評価ページ

1ページあたり2車になった

panf-4.jpg (9561 バイト) panf-3.jpg (10143 バイト)

 


■ AAAが増加したが・・・ [Mar.22.1999〜]

 AAA評価が増加したが、評価対象が頭部と胸部のみであるのは相変わらずである。

 両席AAA評価を4車も輩出した日産は早速CMを流して自慢しているので、今回はその中からステージアに注目してみる。
 ステージアが最初に注目されるという不運に見まわれた理由は、衝突後の写真において後方にずれて開きかかったかのようなドアの状態が前々回のテストの旧型レガシィに通じるからである。 ちなみに旧型レガシィは前々回のテストの中では唯一にして最高だった両席AA評価を獲得しており、私がこのテストの評価方法に疑問を持つきっかけとなった。 ついでに私のクルマは、その試験結果が発表される前から(ワゴンとセダンという違いはあるが)旧型レガシィである。

 ステージアは『運転者席、助手席とも足元フロアが変形していたが、助手席側の変形は比較的少なかった。』と評されている。
 運転席側の写真を見ると、足元フロアが丘のように盛り上がっており、サイドシルよりも高くなっているかのように見える(ただし、サイドシルとフロアとの段差はもともと大きくない)。 真横から撮った写真ではないので変形量の判断は難しいが、衝突後の運転席ダミーの左足のかかとのあたり(=アキレス腱より下のあたり)が盛り上がったフロアに隠れている事から、好ましからざる変形量であるという程度の感想は得られる(※Mar.22にステージアを見に行ったが、足元フロアはほとんどフラットな形状であった)
 助手席側のフロアの変形は『比較的少なかった』と評されているが、ここで言う「フロア」には「トーボード(フロアの前方の斜めになっている部分)」は含まれていない。 この部分は45°程度のなだらかな傾斜の「床」になっているが、衝突後の助手席ダミーの左足の靴をよく見ると、靴の先の半分程度が80〜90°ぐらいの「壁」を踏んでいる(わかりづらいが、右足も同様)。

 オフセット衝突はフルラップ衝突よりもも車体の変形量は大きくなる。 55km/hフルラップ衝突でこれほどの足元フロアの変形が見られる状態では、双方とも55km/hで対向車とオフセット衝突した際には足の圧壊の可能性が大いに懸念される(※ちなみに外国で行われているオフセット衝突テストは64km/h)

ステージアのフロアの変形

99P_Stagea2.gif (4871 バイト) 99P_Stagea1.gif (4661 バイト)
ステージアの評価については右記のリンク先を参照のこと → 自動車事故対策センターのHPへ

 「両席AAA評価」と称して新聞などにアルファベット結果だけが掲載されたりTVCMなどで宣伝される事により、高度な衝突安全性を持っているかのように思われているクルマの中の1つは、このようなクルマである。

 


■ 画像を見る場合のワンポイント [Mar.24.1999]

 「写真を見ても真っ黒けでフロアや足の状態なんてわからない」とお困りの人へのワンポイントです。

  1. HP上の運転席や助手席の画像を保存する。
  2. 適当なソフトで画像を開く
    例:IrfanView32 (for Win95/WinNT,フリーソフト)
    http://www.forest.impress.co.jp/viewer.html#irfanview にてダウンロード可
  3. 画像を200%程度に拡大する(表示を拡大するだけで、保存しなくてもよい)
    例:IrfanView32の場合、[+]キーを10回押す
  4. ガンマ値を2程度に補正する。 暗い画像が明るくなる。
    例:IrfanView32の場合、Image → Gamma Correction
  5. 助手席ダミーの足先がなぜか上を向いているのが見えるようになる(笑)
 
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