日本の乗用車には、小型乗用車と普通乗用車という2つの区分がある。
ナンバープレートは小型が5ナンバー(または7ナンバー),普通が3ナンバーとなることから「5ナンバー(車)」,「3ナンバー(車)」とも呼ばれる。
その区分は車体の寸法(全長,全幅,全高)とエンジンの総排気量で、それらのすべてが表の値以下であれば5ナンバー(小型),いずれか1つ以上が超えていれば3ナンバー(普通)となる。
<小型乗用車/普通乗用車の区分>
全長 |
4,700mm |
全幅 |
1,700mm |
全高 |
2,000mm |
総排気量 |
2.0L(ロータリーは1.5倍した値) |
1989年(平成元年)4月に消費税が導入されるまでは3ナンバー車は贅沢品という位置づけで、5ナンバー車に比べて高額の自動車税と物品税が掛けられていた。
1989年4月以前の自動車税は、5ナンバーが最大¥39,500円なのに対し、3ナンバーは¥81,500円からと、大きな差が設定されていた。
日本の5ナンバーを意識せずに作られている外国車の中には、寸法や総排気量のわずかな超過で3ナンバーに分類されるクルマもあり、一部の外国からは『我が国のクルマは
日本では税金が高額になるのでユーザーに購入を見送られてしまう、いわば「非関税障壁」である』といった批難の声が挙がっていた。
<自動車税>
消費税導入前(〜1989.3) |
消費税導入後(1989.4〜) |
区分 |
総排気量 |
自動車税 |
総排気量 |
自動車税 |
小型乗用車
(5ナンバー) |
1.0L以下 |
¥29,500 |
1.0L以下 |
¥29,500 |
1.0L超〜1.5L以下 |
¥34,500 |
1.0L超〜1.5L以下 |
¥34,500 |
1.5L超〜2.0L以下 |
¥39,500 |
1.5L超〜2.0L以下 |
¥39,500 |
普通乗用車
(3ナンバー) |
3.0L以下 |
¥81,500 |
2.0L超〜2.5L以下 |
¥45,000 |
2.5L超〜3.0L以下 |
¥51,000 |
3.0L超〜6.0L以下 |
¥88,500 |
3.0L超〜3.5L以下 |
¥58,000 |
3.5L超〜4.0L以下 |
¥66,500 |
4.0L超〜4.5L以下 |
¥76,500 |
4.5L超〜6.0L以下 |
¥88,000 |
6.0L超 |
¥148,500 |
6.0L超 |
¥110,000 |
それもあってか、消費税の導入と共に自動車税は総排気量の0.5L刻みで課税される事になり、5ナンバー/3ナンバーの区分は自動車税とは無関係になった。
他に、自動車には物品税が課税されていたが、消費税導入により廃止になった。
<物品税から消費税へ>
\ |
物品税
(〜1989.3) |
消費税
(1989.4〜1992.3) |
小型乗用車(5ナンバー) |
18.5% |
6.0% |
普通乗用車(3ナンバー) |
23.0% |
6.0% |
物品税の頃は、課税後の価格が価格表に記載されていた。
例えば100万円のクルマがあったとすれば、ユーザー向けの価格表には課税後の118万5千円(3ナンバーなら123万円)が車両本体価格として記載されていた。
それが消費税導入により価格表には100万円と記載され、それに消費税が課税されるようになった。
1989年4月の時点の消費税は3.0%だったが、小型乗用車と普通乗用車は暫定的に6.0%と高率に設定された。 それでも新車購入時の支払総額は大幅に減った。
それらの消費税は段階的に4.5%そして3.0%に引き下げられる予定だったが、4.5%に引き下げられた後は消費税自体が5%に増額された。
〔Aug.02.2009〕
|